久しぶりに町へ出ないかと言われた。
隊で遠征に行くときに、よくヘルメッポさんから誘われる。おそらく彼の趣味であるショッピングをするためだろう。
ぼくとしては買い物に行くよりも読書や釣りをしていた方が楽しいのだが、ストックしてた本は尽きてしまったし、生憎そんな遠征に釣り用具なんて持ってきてなんかいない。その点持ち金があるだけで出来るショッピングが、今は妙に羨ましかった。
「お、この服良くね?」
そうやって浮ついた様子で見つけた服を見せびらかすヘルメッポさんに、ぼくは「似たやつあるじゃん」と呆れたまま言葉を零した。するとヘルメッポさんはちょっとだけムキになって反論する。
「前のやつとは全然違ぇだろ! 模様の大きさとかボタンとか…」
「うーんまあ……? まあ、それで買うのは自由だけどさあ」
どうせヘルメッポさんのお金だし。と心の中で思いながらちょっと粗雑に扱うとヘルメッポさんは「お前にはこの良さがわかんねェか~」と至極残念そうに嘆いていた。
「てかおまえのそれ、服まんまじゃねェか」
そう言うとヘルメッポさんはぼくの服を指さした。確かに、ヘルメッポさんの言うようにぼくはいつも隊服で町に出かけていた。背中の正義の文字を隠すのも、なんか違う気がするからそのままだ。
「だって別に……」
「お前が良くてもおれがちょっと嫌なの! お前も何か買えよ。おれが選んでやるからさ」
「ええー」
「希望はあるか?」
そうやって顔を覗き込んで尋ねてくるヘルメッポさんの口角が、少しだけ上がっている気がする。もしかしたらぼくのファッションについて前々から思っていたのだろうか。そして、ぼくのことを自分色に染めたいとも思っていたのだろうか。
そう思うとなんだかむず痒くて、ちょっとだけ愛おしい。
「……ヘルメッポさんが選んでくれたのなら、何でもいい」
「……いや勘弁してくれよ、何でもいいは一番困るんだからさあ」
いや、それはそういう何でもいいじゃないよ。と心の中で訂正しながらも、ぼくは彼色に染められる為にそっと隣へ並んだ。
*ヘルメッポ「あ、この服可愛い」コビー「似たようなの持ってるじゃん」*
友達なような好きなような


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